日本は崩壊してこそ真実に目覚める

人間にも、国にもトラウマがある

 人間の行動に大きく影響をあたえているものにトラウマがあります。

 トラウマとは過去に受けた心の傷のことをいいます。心理学用語では「過去にこうむった心的外傷のこと」です。

 いわば、あとあとまで強い影響を残す衝撃的な恐怖やショック、きわめて不愉快なできごとなど、一時的には忘れていても、やがて思わぬ症状として出てくるといった、はっきりした心の傷のことをいいます。

 たとえば、過去いじめにあったことはトラウマの代表です。また、幼い頃に親や教師、あるいは周りから差別を受けたというのも、トラウマになります。

 さらには、両親が離婚したり、父親が母親を殴っている姿を見てしまったなどというのもトラウマになります。

 また一方、ある場所に行って崖から落ちて以来、その方向に行くのが怖くなったとか、棚から物が落下して怪我をしてから、上の方に物がおいてある場所にいると、恐怖感をもつというのもトラウマのせいです。

 その意味では、恐怖症といわれるものは全部トラウマです。エレベーターに閉じこめられてから閉所恐怖症になったり、また高所恐怖症など、近ごろふえている”パニック症候群“など、ある状況下におかれると、恐怖のあまり正常な行動がとれなくなるようなことも一種のトラウマです。地震に襲われてパニックに陥り一歩も動けなくなったり、突然のスピーチの指名で、緊張してものがいえなくなるのも同じです。

 トラウマとは、心の病気です。いわば心の傷、心の怪我ともいえるでしょう。怪我にも大小や種類があるように、トラウマにも大小種類がいろいろあります。

 たとえば女性の場合、全く男性が好きになれないとか、過去に強姦を受けたために男性を全く受け入れられない女性などは、大きなトラウマを抱えています。その逆に女性を全く受けつない男性や、女性との性的関係をもてない性的不能(インポテンツ)も、同じようにトラウマによるものです。

 人間不信、対人恐怖症もトラウマです。いわば、後天的な精神性の病気、いわゆる心の病いは全部トラウマといってもいいのです。そういうと漠然としすぎる嫌いもありますので、本書では最初にのべたように、心にはっきりとした傷がある状態をトラウマということにします。ふつうの病気でも、遺伝的な病気と後天的な病気とを分けますが、トラウマは後天的なものになります。

 つまり、後天的に心にショックを受け、それがはっきりとした傷となり、のちのちまで心の中に抱えているものがトラウマです。

 人に騙されたこともそうでしょうし、とにかく原因が明確なものです。

 どんな人間にもトラウマがあります。それがさまざまな行動の違いとなって、人それぞれに差が出てきます。原因は同じなのに、トラウマのあるなしで百八十度異なる結果があらわれるのも、このためで不思議でも何でもありません。

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