日本は崩壊してこそ真実に目覚める

アメリカのトラウマは戦争に関係している

 では、アメリカという国にもトラウマはあるのでしょうか。

 アメリカはイギリスとの独立戦争に勝利して自立してからは、戦争に勝利する自信によって現在に至っている国です。たとえば、独立戦争後もイギリス、スペイン、メキシコなどとの戦争、そして第一次、第二次の世界大戦も勝者となりました。

 その後ベトナム戦争がありましたが、ゲリラという見えない敵に手こずり、また国をあげての全面戦争ともいえない中途半端な戦いもあって、結局和平協定締結という痛み分けのような終わり方をしました。

 そして、二○○一年の「セプテンバー・イレブン」(九月十一日のニューヨーク同時多発テロ事件)が起きました。国の歴史上、はじめて本土が攻撃を受けて、市民五千人余りがテロ攻撃の犠牲となったのです。

 それを契機にアメリカはテロを新しい戦争と定義して、テロの恐れがありアメリカに害を及ぼすと判断したら、世界中どこへでも先制攻撃をすると宣言したのです。それがアメリカの正義であり、正当な権利であるとして……。

 前おきが長くなりましたが、アメリカは武力を前面に押し出して、自ら世界一の強者でありつづけること、常に勝者たることが存在理由のようなところがあります。

 ビル・クリントンの後を継いだジョージ・ブッシュが大統領に就任して即座に決定した政策は、世界中にミサイル防衛網を張りめぐらすことでした。世界の勝者であるためには、アメリカは強大すぎるほどの軍隊を所有し、世界一の経済力を誇示することを国是にしています。

 アメリカのトラウマは負けることの恐怖に敏感すぎるということです。逆にいえば、勝者のうぬぼれともいえます。とかく、うぬぼれは身を滅ぼすものです。勝ちつづけている者が敗れるときは、自らのうぬぼれから滅びます。

 そのうぬぼれが、先の同時多発テロを誘発したともいえるのです。アメリカの傲慢があのテロをよびこんだのです。自分たちより強い国はないと思いこんでいた、その自信がテロによって打ち砕かれました。

 そして、それがまた新しいアメリカのトラウマとなったのです。

 日本では、かつてオウム真理教が地下鉄サリン事件を起こすなど、強烈なショックを国中にあたえました。

 それ以後、新興宗教などオカルト的な教団と見られる集団に対して、マスコミは異常なほどの反応を示すようになりました。

 これなども、オウム真理教の一連の犯罪が社会に及ぼした恐怖やショックによる、いわばトラウマの影響といってもいいのです。

 トラウマがあることで、人は同じ状況に立たされた場合に恐怖におののき、さらに防御の姿勢を強くします。そうして、それが妄想へと進んでいくことさえあります。

 ニューヨークで起きた、「セプテンバー・イレブン」は、本土攻撃への恐怖心をよびさましました。その防御策としてのアフガニスタンへの進攻によるタリバンやアルカイダ、オサマ・ビンラディンなどに対する殲滅攻撃、そしてイラク戦争などは、アメリカのトラウマによる一連の心理的反応と見ていいのです。

 イラクの生物化学兵器、大量破壊兵器所有疑惑も、未だ発見されていないところをみると、アメリカにとっては恐怖心による妄想だったのかもしれないのです。

 もちろん、戦争にはさまざまな側面があり、政治的、経済的な面も十分考慮すべきでしょうが、じつは、アメリカをひとりの人間として見てみれば、なぜしゃにむに、強引にイラク戦争を仕掛けることになったのか、なぜあのような動きをするのか、その深層心理が見えてきます。

 それならば、他の国連の四大常任理事国はどうでしょう。国ごとにやはりトラウマがあるのでしょうか。

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